私の体験記

がん患者さんからの体験談を掲載しております。

診断時やその後の想いなど、がん患者さんの生の声を書いていただきました。

また、がん体験談を募集しております。お気軽にお問い合わせください。


名     前:温泉大好き

がん種:乳がん

テーマ:あれから5年

 

私は、5年程前に乳がんステージ3aと診断されました。自分でしこりをみつけて受診したのがきっかけです。その半年前位から片方の乳首だけ倒れていて、気にはしていたもののまさか乳がんとは思いもよりませんでした。生活習慣病検診は受けていましたが、乳がん検診は一度も受けた事がなかったのです。理由は乳房の小さい人はマンモが受けられないという都市伝説を信じていたからです。

それまで病気らしい病気をした事のない私でしたが、手術をして怪我人になり、抗がん剤で病人になってしまいました。抗がん剤の点滴を受けると、一週間は寝こむ状態です。水も飲めず、食欲もなく、体に力が入らなくなり、救急外来で2度点滴を受けました。白血球不足で治療の延期も2度ありました。それから、放射線、2種類目の抗がん剤、分子薬と続き治療が一段落するまで、一年半程かかりました。現在は、ホルモン療法と抗がん剤治療中から発症したリンパ浮腫、ホルモン薬の副作用による骨粗鬆症の治療を続けています。余談ですが、私の母は晩年胃ガンの手術をし、ガンは完治したものの、精神的に落ち込んでしまい亡くなりました。そんな母を反面教師として、私は、たとえ体はガンで滅びることがあっても、心だけは持っていかれないぞ、とそんな気持ちで治療に取り組んできました。

 


 

名 前:酒井日和子

がん種:乳がん

テーマ:乳がん治療中も,適度な運動をしたら,心も体も元気になりました

 

 2年前,市の乳がん検診を受けたら要精密検査の通知が届きすぐに病院に行きました。組織検査の結果,乳がんと診断され,治療法として,右乳房全摘と腋窩リンパ節郭清手術に加え抗がん剤と放射線照射を併用し,ホルモン剤を10年使用することに同意しました。

 しかし,抗がん剤は副作用もあることや,リンパ節切除により場合によって右腕が動きにくくなったりリンパ浮腫になったりする可能性があると聞き,ピアノやエレクトーンを教える仕事しているため心配になりました。

どうしようと思い悩んでいたのですが,乳がん体験者の方に自分の話を聞いて頂き気持ちが楽になりました。その後,どうしたら予防ができるかを考えました。

まず,手術をするに当たって基礎体力を付ける為に軽い筋トレなどをしました。手術をした次の日からも,多少痛みはありましたが,体力が落ちないように軽い運動を病室で続けました。また,免疫力が落ちていると抗がん剤治療が遅れ,治療によって体力が消耗すると聞いていたので,初回の抗がん剤投与から2日後に病院で情報を得てヨガ教室に参加しました。薬によるほてりは,保冷剤を首に当ててしのぎヨガも快適にできました。

 治療中でもヨガや適度な運動をすることで体力が保たれ,充実感から心も軽くなりました。そのせいか,副作用が比較的少なく食欲も落ちること無く,とても元気に過ごせました。仕事は一ヶ月位で復帰し,今は以前から通っていたエアロビも楽しんでおります。

 


 

名 前:ゆこりん

がん種:乳がん

テーマ:パセリの会を通して学んだこと

 

平成24年、6月3日入浴中に左乳房にしこりがあることに気づき、翌4日に石巻赤十字病院受診。検査で腫瘤が見られ「乳がんでしょう。」と言われました。針生検をして8日には正式に「浸潤性乳管癌ステージⅡA」と言われ、7月13日に全摘手術を受けました。リンパ節にも転移があるとのこと、HER2たんぱく陽性のタイプで抗がん剤治療と分子標的治療を受けました。  

脱毛した髪がベリーショートになり、ウィッグなしで過ごせるようになるまで1年5か月間休業し、療養する中で「パセリの会」に出会いました。茶話会で先輩の方の経験談を聞き、一緒に「ピンクリボンスマイルウォーク」を歩く中で、少しずつ明るく過ごせるようになりました。また「パセリの集い」でフラダンスを踊っていたがん患者さんの姿から、がんに負けない強さを感じ、ラフターヨガの講習会では「笑うこと」こそがストレスを解消し、がんを乗り越えられる一番の療法だと教わりました。

 5年経過し、ほっと胸をなでおろしていたら、その次の年、平成30年またしても6月、今度は後頭部に皮膚がんができました。手術し細胞を調べた結果、何と乳がんからの転移であるとのこと。今は乳がん再発を予防するためホルモン療法を受けています。「二度もがんになるなんて。」と、もちろん思いました。でも、考えて悩んで治るものではないと自分に言い聞かせ、私は一度目の乳がんになって学んだ「笑って明るく過ごすこと」で乗り切ろうと思っています。